2009年11月12日

直江山城守(小篆風)印影



直江山城守、15mm、小篆。



第57回大印展「認・実印の部」の実印の課題です。

ありがたいことに銀賞をいただいたわけですが、ここで彫っている他の印鑑を見ていただければ、普段の仕事と変わらないことがお分かりいただけると思います。出品作だけ特別に力を入れているわけではありません。やはり普段このブログでやっていること、重圧を感じながらお客様の印鑑を彫っていることが、身になっているのだと感じます。本当に感謝です。



ただもちろん自分にも足りない部分がたくさんあるわけで、自分を見つめなおすいい機会です。他の方の作品と見比べたりして、足りなかった部分は何かと考えると、線の強弱が足りなかったのかと思います。小篆風というと、一律に縦画は細く横画は太くするのが機械的な気がして好きになれず、意図的にあまり縦画が細くならないようにしたのですが、それでももう少しどこかで強弱は付けてもいいと思いました。全体のバランス、線の流れに関しては、自分で言うのもなんですが、なかなかの出来だと思います。



全体的に気を付けたのは、窮屈なところがでないように、線が流れるように、です。

特に「直」が枠にぶつかるところと、「山城守」と3文字になるところは窮屈になりやすいので、気を付けました。あと、「直」の「L」のところや、サンズイ、「城」の「戈」は伸びやかさを表現する見せ場なので、寸詰まりにならないように注意しました。しかし、他の方の作品を見ていてこのへんはあまり審査を左右しないように感じました。全体的なバランスよりも仕上げの仕方に比重があるようです。



それから「城」の真ん中の縦画を下のウカンムリの真ん中にぶつけるか避けるかで迷ったので、避けてる人がいれば参考にしたいと思っていたのですが、ほとんどの人が避けてて驚きました。少数派だったようです。



こういう展覧会も面白いですが、マイナス面も感じました。自分が上に行かないと悔しいので、次はどうしたら賞を獲れるかばかり考えてしまっていたのです。出品作が同じようなものばかりになるのはこのためでしょう。賞よりも、あくまで自分を高めることが重要です。自戒の念を込めて。


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2009年11月10日

2009年11月09日

直江山城守(小篆風)仕上げ



直江だけ仕上げしてあります。
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2009年11月07日

2009年11月06日

直江山城守(小篆風)粗彫り終了





しばらく経ってから、こうして製作工程を見直してみるのも面白いものです。

「直」の「L」部分、サンズイ、「城」の中心の縦画は、仕上げでバランスをとったほうがいいと思ったので、少し太く残していますね。
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2009年11月05日

直江山城守(小篆風)粗彫り





粗彫りでいつもと違うのは丸い枠を彫るところです。枠の外周は歪んでしまったら直しようがないので、仕上げが必要ないくらいに丁寧に彫ります。

四隅を少し残しているのは、面磨りしやすくするためです。四隅があったほうが当たる面が広くなるので平らにしやすいです。別に慣れた職人ならそんなことしなくても影響ないと思いますが、やって悪いことは何もありませんので、万全を期しておきます。
posted by 上野雄一 at 11:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 直江山城守(小篆風) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月04日

直江山城守(小篆風)字入れ終了



字入れが終わった写真です。自分が気にしたところなど細かいポイントは完成した印影をお見せできる時に書きます。
posted by 上野雄一 at 11:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 直江山城守(小篆風) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月03日

直江山城守(小篆風)字入れ

まずは銀賞をいただいた「認印・実印の部」の作品から紹介します。

「認印・実印の部」は、認印と実印2本で一つの部門です。

今回の課題は「兼続」と「直江山城守」です。

「兼続」はともかく「直江山城守」は、はんこ職人ならすぐに「ちょっと難しい課題だな」と思うでしょう。これも出品しようと思った一つの理由です。展覧会に出品する人はある程度実力のある人達ですので、実際のところあまり差がつきません。金銀銅賞に入るのは運みたいなところがあるので、難しいほうが差がつくかなとも思いました。



では、その「直江山城守」から。

「直江山城守」というのは直江兼続の別名のようです。

書体の指定はありません。しかし、出品されるのはほとんどが小篆風です。

小篆風以外は評価されにくいと考えるべきでしょう。

しかし、少し生意気を言うと、小篆風だけ彫って賞とって一人前になった気になるのもどうかと思うので、2つのうち、一つは小篆風、一つはそれ以外の書体で彫ろうと思っていました。「兼続」は課題を見た瞬間に行書でのイメージが浮かびましたし、「直江山城守」は2字と3字でバランスが悪いので、篆書系の小篆風で彫るのが無難です。また、小篆風としても難しい要素が沢山入っているので、小篆風を意識して出された課題のようにも思います。



どこが難しいかと言うと、まず2字と3字の姓名です。

文字を同じ大きさで入れられませんので、姓2字、名2字に比べバランスがとりにくくなります。特に3字の「山城守」はそれぞれの字に画数の差があるので、どう割り振るか難しいところです。



それから「直」の字は、姓名印で上にくると難しい字です。

上が「十」になっているので、真ん中が高く、上の両側に字画がありません。下の写真をご覧いただくと分かりますが、枠にちょうどぶつけると、ぶつかってない中心側の上が空いてしまい、下に下がって見えてしまうのです。今回は「山」が上に字画のある文字ですし、「江」もサンズイは下まで伸びた字画ですが、「エ」を少し上付きにしたので、あまり気にならないと思いましたが、もしかしたら審査員はこの辺を少し気にしたかもしれません。各作品の細かい選評や採点は出ないので、想像するしかありませんが。



サンズイは微妙なカーブの縦画が並んでいるので、難易度が高いとされています。

しかし、サンズイに限らず「守」のウ冠もそうですが、カーブのある縦画の終筆の処理では、大印展で評価されているものでも私は違和感を感じるところがあったので、試してみたい気持ちがありました。



字入れ中の写真です。

15mm角が規定です。(成形前の通称コマという言わば練習用の印材です)

ですので、丸い枠も書いて彫ります。



posted by 上野雄一 at 17:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 直江山城守(小篆風) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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