2009年05月22日

役職印(篆書)印影



株式会社上野雄一 代表取締役印、18mm、篆書。



いわゆる役職印、法人実印です。

業界の中ではそのまま「役職」、天丸型の印材に彫ることから「天丸(てんまる)」、回し文字なので「回文(かいぶん)」などと呼ばれます。



実印とは比べ物にならないほど文字数が多く細かいので、やはり彫るのは大変です。

その大変な役職印を手で彫ることが一級技能士の実技課題となっているのですが、実際の注文で手で彫る店がほとんどないので、これを実技課題とするのはどうかと議論になったりもしているようです。(上野印房で手彫り印鑑をご注文いただければ、もちろん役職印だって機械を使わず手で彫ります)一級技能士の試験を受ける人が少なくなったために起こった議論だと思いますが、受験者を増やしたいなら手彫りで生計が成り立つんだってことを若者に示していくことが重要だと思うんですよね。本当は手で彫りたいと思っている職人はたくさんいます。手彫りで食べていけるんだと思えば、手彫りを学びたいという若者は自然に増えます。しかし、ネットを見回すと「手彫りなんて意味がない」みたいなこと言ってる立派な経歴の職人さん何人もいますね。そりゃ手で彫ろうっていう若者はいなくなります・・・



しかし、期待を込めて言うと、僕らより若い世代には増えてくると思うんですよね、手で彫ることの重要性を感じる若者が。僕らより上の世代は「機械より上手く」「機械より綺麗に」と良くも悪くも機械を意識せざるを得なかった世代です。若い世代は生まれた時から機械で彫ることが当たり前だったからこそ、手作り感や素朴さ、彫ること自体に魅力を感じることが出来るかもしれない。しかし、若者が手彫りをやりたいと思っても、数千円の印鑑が手彫り印鑑としてまかり通っている、立派な経歴の先輩職人が手彫りなんて意味がないと言っている、そういう現状に突き当たった時、こういう意見を言う人がいるってことも必要だと思うんですよね。



「手彫りの技術は一級技能士と受賞暦という売り文句を得るためだけに存在すればいいってものじゃない。手彫りは楽しいぞ」ってね。



印影と全く関係のない話になってしまいました。


posted by 上野雄一 at 18:57| Comment(6) | TrackBack(0) | 役職印(篆書) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月21日

役職印(篆書)完成



仕上げ終わったところですね。これから実際に捺印してみて手直しをして完成です。
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2009年05月19日

役職印(篆書)仕上げ





写真に撮るので「株」から順番に仕上げていますが、一級技能士を目指している方は細くなりそうな字(普通は画数の多い字、または粗彫りで細くなってしまった字)から仕上げたほうがよいです。これは役職印に限りませんが、線の太さを揃える場合、最初に一番細い線を作り、それに合わせて他の字を仕上げないと、最後に仕上げた字だけ細くなってしまう恐れがあります。そうすると、もう一度その字にあわせて仕上げし直さなくてはなりません。慣れてしまえばどの字から彫っても大丈夫ですが、一級技能士の試験は時間制限がかなり厳しいので、二度手間は避けましょう。
posted by 上野雄一 at 11:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 役職印(篆書) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月18日

役職印(篆書)墨打ち





墨を打ち直した仕上げ前の状態です。このくらいの出来なら仕上げをしなくても一級技能士の試験は合格できそうですね。もちろんこれからちゃんと仕上げをします。
posted by 上野雄一 at 09:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 役職印(篆書) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月16日

役職印(篆書)面磨り



ヤスリで一度印面の墨を落としたところです。
posted by 上野雄一 at 13:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 役職印(篆書) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月15日

役職印(篆書)粗彫り終了





粗彫りが終わりました。こういう細かい字は年取ってくると、目が厳しくなっていくでしょうね。
posted by 上野雄一 at 18:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 役職印(篆書) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月14日

役職印(篆書)粗彫り3

posted by 上野雄一 at 10:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 役職印(篆書) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月13日

2009年05月11日

役職印(篆書)粗彫り1



他の印鑑同様、枠から彫っていきます。
posted by 上野雄一 at 18:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 役職印(篆書) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月09日

2009年05月08日

役職印(篆書)字入れ2





字入れは枠以外はどこから書いてもいいと思いますが、三行の場合は真ん中の行から書いたほうがバランスが取りやすいかもしれません。
posted by 上野雄一 at 17:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 役職印(篆書) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月07日

役職印(篆書)字入れ



内側の字割り線に沿って円を書き、逆さに字を書いていきます。
posted by 上野雄一 at 19:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 役職印(篆書) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月02日

役職印(篆書)字割り

今回は役職印を彫ります。

役職印とは主に法人の実印に使う印鑑で、二重丸の円に法人名と役職名を彫刻します。文字数が多く、かなり細かい彫刻になりますので、ほとんど手で彫っている人はいません。

しかし、一級印章彫刻技能士の実技の課題となっていますので、一級技能士を目指している方の参考にもなればと思い、少し細かく説明します。



役職印で特に苦労するのが字割りで、二重丸をどう書くかです。

「カラスぐち」という墨を入れるコンパスを使うのが一般的かと思いますが、私はこれを使いませんので、カラスぐちが苦手な方は参考にしてください。

カラスぐちを使わない理由は、



  1. 線の太さを調節するのが難しい


  2. なかなか中心が合わない


  3. 特に外枠を太くするための字割りが難しい


  4. 中心に穴があく




こんな感じで、私はなじめませんでした。

それでは・・・



まず下のように外枠ギリギリに枠に沿って線を引きます。

外枠を気持ち太く仕上げるためです。





それと同じ方法で、字割り具を内側に伸ばし、内側の円も書きます。

これは途中で作業を止められないので、すみませんが、完成の写真しか撮れません。

字割り具を細かく振りながら印材を回して書いていくのがコツです。

振りながら書いていくと、下の写真のように外側にはみ出しますが構いません。重要なのは内側が円になっていることです。

外枠から内側の円までの距離は、私はフリーハンドですが、試験の場合は測っておくとよいと思います。





次に中心を出します。



大体中心と思うところに四方向からアタリをつけると、中心が出ます。



ドンピシャです。



次に直角の線を引くための字割り具を当て、縦横に中心の線を引きます。







縦横の中心線を引いたら、そのまま内側の字割りをします。



3行の字割りで苦労される方もいらっしゃると思いますが、あまり几帳面になる必要はありません。まずカンで3行になるように線を引き、少し広いなと思うほうにもう一回引き直せばよいのです。また、内側に「代表、取締、役印」と彫る場合は、真ん中の行の画数が多いので、真ん中の行を少し広くとるとよいでしょう。





次に外側の字割りですが、「回文字割版」という道具がありますので、なければ買うなり作るなりしましょう。





下のように中心を合わせれば文字数に応じた字割りが出来るスグレモノです。

今回は「株式会社上野雄一」という架空の会社名を彫るので、8文字です。







字割り完成です。参考になりましたか?



posted by 上野雄一 at 15:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 役職印(篆書) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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