書体は、「小篆(しょうてん)」です。
私の名前は「上野雄一」ですが、
非常にバランスの取りにくい名前です。
一番の問題は、「一」です。
画数の多い文字が大変だというのは、想像できると思いますが、
実は、画数の少ない文字も嫌なのです。
理由は、空間が埋まらないからです。
彫るのは楽だけど、バランスが取りにくい。
その中でも、「一」は別格です。
ただの一本線ですから、バランスの取りようがありません。
そこで、通常は下のような字画を使うことが通例となっています。

左下の字ですね。
このように字画を折りたたむと、バランスをとりやすくなります。
しかし、今回はあえて一本線の「一」で彫ってみます。
こういうチャレンジができるのは、
売り物でない印鑑を彫るメリットです。