2012年10月04日

小篆風印篆について思うこと

長くこのブログを読んでいただいている皆様には薄々感づかれておられると思うのですが、私、小篆風印篆があまり好きではありません。
自分としてはできるだけ小篆らしく四角く見えないようにしています。

今こんなことを言う職人はいないと思うのですが、おそらく小篆風印篆が出現した時には違和感を持った職人も多かったろうと推測します。
今誰も言う人がいないので、私が感じている違和感を書いてみます。

  1. 小篆と印篆を合体させるという考え方自体、気持ち悪い。
    小篆から印篆が作られて、それをまた小手先で小篆風にする。
    で、出来たのは小篆らしさの欠片もない字。
    そんなに小篆にしたいなら、小篆ではんこ彫ればいいのに。
  2. 文字がぎゅうぎゅう詰めで可哀想・・・
    小篆はもともと伸びやかな書体なのに、ぎちぎちに四角く詰め込まれる。
    印篆だって、もっと文字間、行間に余裕があります。
    さらに小篆は縦長の字形なのに、小篆風印篆では扁平にされることが多い。
    丸印ではぎゅうぎゅうどころか枠で字を欠けさせてもかまわないなんて、字が可哀想じゃありませんか。
  3. 筆法としておかしなことになってる時がある。
    例えば、「上」という字。
    ue.gif
    1が普通の印篆。
    実用印では左の空間を消したいためか2がよく使われます。
    2を筆っぽい表現にした、いわゆる小篆風印篆が3です。
    起筆の打ち込みや終筆のトメを表現します。
    (本来小篆は起筆終筆をあまり表現しませんが、して悪いということもないので、それはおいといて)
    よく見てください。
    楷書での縦画にあたる字画の起筆どこでしょうか?
    ・・・
    ほーら、気持ち悪い。
    筆で下から上に書くなんてありえないのに、そう見える。
    筆の動きを表現しているのに、気持ち悪いですね。
だれも言わないんですけど、私の考え方がおかしいんですかね?


posted by 上野雄一 at 15:54| Comment(0) | TrackBack(0) | はんこの話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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